「商品開発、事業開発の過去、現在、そしてミライ」座談会前編

18.11.21 12:37 PM By s.budo

知見と想念の化学反応から商品開発、事業開発のミライの指針と課題を浮き彫りに!
座談会前編 -「商品」、「事業」の現状と問題認識

「商品開発、事業開発の過去、現在、そしてミライ」をメインテーマに、11月14日(水)原宿ウェルコインタビュールームで有識者座談会を開催致しました。様々な意見が飛び交う中、改めて、「商品」と「事業」の現状と問題が再認識されました。


■座談会メンバの最近の注目、関心事

〇事業開発、マーケティング戦略分野:早稲田大学 大学院経営管理研究科 木村 達也教授
今更ながらAmazonについて調べている。大学の授業も絡んでいるが、調べれば調べるほどジェフ・ベゾスの構想力と事業の展開力がすさまじい。Amazonが物流や商流を更に取り込んでいくのがこれからの流れだと思っている。一方で、Amazonに対抗する日本の商流を考えた時に、コープ、生活協同組合。これはAmazonとは全然違うモデルを持っており、現在の関心領域。

〇消費財製品開発分野:元ホンダN-Box開発統括 繁 浩太郎氏
先日震災や豪雨などで、関西空港でアメリカ人にインタビューをしていたが、こんなに英語の通じない空港は初めてだと言われていた。以前の私ならなら日本の空港にきて英語が通じると思うな、と思っていたが、今や英語の通じない空港はない。日本はそんなことになっていたのかと、これはいかんと思った。

〇マーケティングコミュニケーション分野:インターテクスト代表 海野 裕氏
気になるのが食べ歩きしている人が昔より増えた感じがする。駅とか地下鉄でパンなどを食べている人が増えた。インバウンドもあると思うがパン屋さんやデリがすごく増えたのか。特に若い人がパンとかをくわえて歩いていて、ミクロだが関心事。

〇一般消費財開発分野:マーケティングコンサルタント 山崎 洋子氏 
CtoCビジネス。メルカリ、ハンドメイドマーケット、自分の家の土地や軒先をちょっと貸して駐車場にしたり、よくよく考えると実は自分は資産を持っているんだなと。それが企業主導ではなく個人主導という所が面白い。そっちに力がシフトしていくのではないかなと感じている。

〇感性アプローチ開発分野:ウェルコインターナショナル代表取締役 日置 孝子氏
サブスクリプション、会員制で定額でdマガジンのように本読み放題、一応無料だけど気に入ったら買う事になるようなラインマンガなどをついつい読んでしまう。何が面白いかというと、自分がどういう物に興味があるかという自分発見がある。

■「商品」現状と問題認識

座談会メンバに自身の消費スタイルを起点に、消費動向や商品価値に関して意見交換した結果、「商品」の現状と問題認識は、“面白いもの”、“役立つもの”、“欲しいもの”、“必要なもの”、“十分なもの”、“つまらないもの”、“危ういもの”と、商品に対する期待の温度差から7つの要素に集約されました。


「十分なもの」には期待値が低い一般消費財が、「つまらないもの」には自動車やロングセラー商品の減少傾向など、期待に応えてくれない商品群が、「必要なもの」には人の本質を突いた商品やグローバル性のある商品など、より普遍的な商品への希求があります。
これらのコモディティ商品群は機能や品質に大きな差が無く価格が重視されるため、商品バリエーションを増やす展開やブランド戦略、コミュニケーション戦略による差別化が行われていますが、ここ数年前より、新たな潮流として機能、品質を抜本的に見直し、更に高性能を追求することで顧客の“期待を再創造”する商品が登場しています。期待が再創造され顧客の認知レベルがアップすることで、様々なコモディティ商品の革新に繋がることが期待されます。

他方、商品と消費の関係性が個別性を帯びる「欲しいもの」や「役立つもの」、「面白いもの」に位置する嗜好性の高い消費群にあっては、商品そのものよりも、商品で”変わる自分“の期待値へと対象がシフトしています。
商品の流通形態がBtoCからCtoC、入手形態が購入からシェアやレンタルなど、より一層多様化し質的にも量的にも拡大する中、パーソナライズ化された商品を通じて本来の自分を知る、新しい体験を通じて未知の自分に触れるなど、いままで無かった“期待を創造する”商品が台頭してきています。
商品と顧客のインタラクションは、新たなステージを迎えつつあり、顧客満足に変わる新しい価値観であるユーザエクスペリエンスは、今後益々重要視されると思われます。
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■「事業」の現状と問題認識

『事業』の現状と問題認識は、「マーケティング」、「技術」、「経営」、「バリューチェーン」、「(人の)特徴」、組織」の6点に集約されました。失われた20余年の停滞は、「マーケティング」には旧態依然の体質、「技術」には保守的な商品開発、「経営」にはイノベーションマインドの欠如、そして「組織」にはモチベーションの欠如という膠着状態を生み、日本人の特性とも相まって、事業革新を阻む元凶となっていることが浮き彫りなりました。


他方、停滞期における経営戦略として事業の集中と選択が推進されてきましたが、収益性と効率性を追求するあまり、リスクテイクする大胆な戦略、事業展開ノウハウが蓄積、共有されず、組織力も疲弊し大変厳しい現状となっています。


この状況を打開すべく、大企業とスタートアップベンチャーの共創やネットを活用した商流、物流の再構築など、事業革新の突破口として「バリューチェーン」をテコとした様々な取組みが行われており、事業革新への情熱、力量、そして本気度が問われています。

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■座談会後編

座談会の後編では、今回認識された「商品」と「事業」の様々な問題、難題への処方箋やアプローチ方法について議論、考察します。

開催は、新年の1月上旬を予定しています。