この1年で急速に注目されているメタバースについて、それを取り巻く市場データを参考に大胆に考察してみます。
What’s METAVERSE?
メタバースについて、先ずFacebookからMetaに社名変更したザッカーバーグ氏に紹介してもらいます。(以下、Jul 22, 2021のTHE VERGEインタビューより抜粋引用)
「メタバースは、多くの企業、つまり業界全体に広がるビジョンです。モバイルインターネットの後継と言えます。メタバースは、単にコンテンツを表示するだけでなく、その中にいる、具現化されたインターネットです。『現在、私たちは小さな長方形を利用して、私たちの生活やコミュニケーションをやり取りしています。しかし、それは、人々が真に相互作用できるようには作られていないと思います。』多くの人はメタバースを仮想現実と考えていますが、単なる仮想現実ではありません。VRやARだけでなく、PCやモバイルデバイス、ゲーム機まで、様々なコンピューティングプラットフォームのすべてでアクセスできるようになり、私たちが一緒にいられる永続的な環境で、2D アプリや Web ページではできなかった様々な体験が可能です。」
2004年、Facebookはミッションステートメントに「コミュニティを構築し、世界をより緊密にする力を人々に与えること。友人や家族とつながりを保ち、世界で何が起こっているかを発見し、自分にとって重要なことを共有すること。」と宣言しており、メタバースはこのミッションを最新技術で実現する世界と言えるのかもしれません。
メタバースの市場規模と主要プレーヤー

二強の寡占状態のデジタル広告市場
ここで、MetaとGoogleのデジタル広告の売上推移を見てみます。因みに現時点で、Metaがメタバースでどの様に広告事業を展開するか明らかでなく、また、Googleはメタバースの主要なプレーヤーと見なされていません。


メタバースがモバイルインターネットの後継で、小さな長方形(スマートフォン)を代替するものであるとすれば、二強にとって事業モデルの転換や新たな収益機会を確立する必要がありそうです。
デジタル広告ブロックの登場

因みに広告ブロッカーには有料と無料の両方の形式があり、オンライン詐欺、不正行為の蔓延、またWebユーザーのセキュリティとプライバシーの必要性が成長を後押ししています。
依存効果
メタバースのハイプサイクルは?

新市場 or 革命的な市場???
メタバースが、広告でつくりだされた欲望を満たす従来型の新市場を創造していくのか、それともそれ自体が重要で効用のある革命的な市場を創造していくのか、コロナ禍で需要が蒸発したこの2年、そしてウクライナ戦争を始め様々な要因による供給不足がインフレを加速する現在を鑑みるに、2022年は過去の歴史でも類例のない転換点になるのかもしれません。