NYノマド 第14回 悪戦苦闘するリアル店舗、進化する売り場~顧客のジョブを片付ける Part3. おもちゃと遊具スペースだけではありません

20.03.17 11:21 AM By s.budo

CAMP店舗では、有料のアクティビティプログラムが豊富に提供されています。

画像:有料のミュージックプログラム、筆者撮影

おもちゃラボの奥にあるこちらの小さなシアターでは、ミュージックやクラフトなどの有料プログラムが開催され、チケットを事前にオンライン購入することで参加することができます。


チケットは30ドルから50ドルほどで、時間は45分から数時間のものがあります。

例えば、スライム作りは45分で30ドル(同伴の保護者は無料)といったかたちです。


私たちも今回試しに、Little Maestrosというミュージックシアターのプログラムに参加してみました。



https://www.hudsonyardsnewyork.com/press-media/press-images

NHKのおかあさんといっしょのような小さなファミリーコンサートでしたが、1~3歳向けといった内容で、参加しているお子さんも2~3歳が多く、残念ながら4歳の娘にとってはだいぶ退屈だったようです。


しかしながら、プログラムのハイライトではたくさんのシャボン玉で座席の空間が埋め尽くされ、ご満悦の娘でした。



アメリカでは図書館や美術館、ネイチャーセンターや市といった公共機関だけでなく、バーンズアンドノーブルやショッピングモールといったお店でも子供向けの無料もしくは低価格のアクティビティが頻繁に提供されていますので、CAMPのアクティビティは内容と価格を鑑みると、ニューヨーク価格で高いという印象が否めません。

店舗ごとに違った空間が展開~ハドソンヤード店

さて、このCAMP、異なる店舗では違う空間やアクティビティが展開されています。

マンハッタンの南、ハドソン川沿いに昨年オープンした新たな商業施設、ハドソンヤード内にもこのCAMPの店舗があります。

画像:ハドソンヤード https://www.hudsonyardsnewyork.com/press-media/press-imagesより引用

ハドソンヤードは再開発地域の中で、オフィス、ショッピングモール、劇場、アートなどを兼ね備えた複合商業施設で、"ベッセル"と呼ばれる展望台が新たな観光スポットとなっている場所です。


こちらのCAMPもさらっとご紹介したいと思いますが、5th Avenue店とは全く異なった店舗空間デザインになっており、おもちゃラボではなく、お店の名前の通り、杜の中のキャンプがコンセプトになっていました。

こちらの店舗はハドソンヤードというマンハッタンの新たなアイコンの一つになりつつある商業施設の中にあるためか、子どもが遊ぶ、おもちゃを試すというよりも、インスタ映えする写真撮影スポットとしてデザインされているように感じます。

サファリカーには子どもがひっきりなしに列をなし、親たちが一生懸命スマートフォンの写真に収めているようすが印象的でした。

画像:CAMP隣にあるラウンジスペース3DEN、筆者撮影

ちなみに、こちらのCAMP店舗のお隣には3DENというアーバンラウンジ、パーソナルオアシスがコンセプトの、空港にあるラウンジのような、休憩、仕事などができるドロップイン型のラウンジがあります。


30分6ドルで利用できます。


子どもがCAMPシアターに参加している間、親はこちらのラウンジで休憩したり、仕事をしたり、一緒に来た友達をおしゃべりしたりなど、思い思いに過ごすことができそうです。


このサービスの連携も興味深いですね。

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columnist
Aya Kubosumi ノマドマーケター



コニカミノルタ、大阪ガスで行動観察やユーザーリサーチに携わったのち、GOB Incubation Partnersを創業。夫の突然の転職に伴い、東京から3歳の娘と夫とともにNY(ニュージャージー)に移住。ノマドマーケターとして、NYの人々、もの、こと、を日々観察、体験したことを素材に、日本の商品開発マーケターの皆さんと共有したいインサイトを綴ります。

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