夏の始まりを告げるメモリアルデー
皆さん、こんにちは。
すでに3月中旬から在宅生活は10週間を超えましたが、こちらニューヨークでは夏まっしぐらの気持ちの良い天気が続いています。
5月25日のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)の祝日を迎えましたが、例年この日からビーチやプールがオープンし、短い夏を思う存分楽しもうとする人たちで賑わいます。
しかしながら今年はコロナウィルスの影響でビーチやプールの営業や利用は大きな制限を受けています。
ニューヨーク市では、公営のビーチはオープンしているものの、残念ながら遊泳は禁止、カフェやレストランなどは閉鎖され、「最大収容人数の50%を超えないこと。
出口と入口を監視し、駐車場も制限」、「バレーボールやフットボールのようなグループ活動を禁止」、「ピクニックエリア、プレイグラウンドのように人が集まるための場所は閉鎖」といった利用制限が敷かれています。
しかしながら、太陽を求めて市外や隣接する州のビーチに繰り出す人が少なからずいたようです。
ニュージャージー州では公営ビーチはオープンしていますが、例年同時期にオープンするプールは閉鎖されたままです。
コロナウィルスの感染状況も、最も悪化していた3月末から4月にかけての状況からは大分改善しつつあり、メモリアルデーの週末から野外での集会の可能人数が10人までから25人までに引き上げられ、キャンプ場などの利用も可能となる行政令が発効となりました。
メモリアルデーを境に本格的なバーベキューシーズンの到来となりますが、野外で集まり、バーベキューなどを楽しみながらメモリアルデーの祝日をお祝いするというこちらの人々の毎年の楽しみを少しでも実現しようと譲歩した結果の意思決定だったのでしょう。
社会基盤となりつつあるTelemedicine(テレメディスン)

病院に電話し、テレメディスンの予約を入れます。↓すると病院からスマートフォン宛にテキストメッセージが送られてきて、そこに記載されているURLをクリックするだけです。↓すると、オンライン上の待合室のような画面に入り、名前を記入して待っていると、病院のスタッフとビデオ通話がつながり、看護士による問診を受け、その後に医師とビデオ通話で症状を説明するなどの診察に入ります。↓医師の診断後、投薬などが必要な場合、自分が通常利用している処方箋薬局の情報を伝えると、そこにクリニックが処方箋を送ってくれ、約2時間後には処方薬が準備完了、引き取りに行く
コロナウィルス関連では、ニュージャージー州では州内全域のドラッグストア、CVS Pharmacyでコロナウィルスの感染検査を受けることが可能になります。
そして私が居住している町では、5月半ばから6月半ばにかけて症状の有無にかかわらず、希望する12歳以上の全ての住民にコロナウィルス検査が提供されます。
検査キットが比較的潤沢に供給されるようになり、検査体制がこのように迅速に整備されていく背景には、検査を拡充し、必要な人が必要な時に受けられる環境を提供することで、感染拡大を防ごうとする大目的とともに、経済や社会活動を再開の判断に必要な感染データを採取すること、検査キットや検査を提供する企業がビジネス機会を虎視眈々と追及していこうとする姿勢が垣間見えます。
私が住む町ではコロナウィルスへの抗体検査も遠からず提供されるとのことで、こちらはぜひとも受けに行こうと思っています。
第17回NYノマドでは、「アフターコロナで変わりゆく日常と顧客との関係性」をテーマに、ニューヨークを中心にコロナウィルスにより変わりつつある日常から、経済活動の再開後のアフターコロナの世界におけるNew Normalの生活やビジネス、マーケティングについて検討してみたいと思います。
- Part1. 変わりゆく日常~ニューヨークが直面するコロナウィルスの爪痕と"New Normal"
- Part2. "Reopen(社会経済活動の再開)"までの道のり、ニューヨーク市内のビジネス生態系の破壊と再生
- Part3. 顧客経験が変わる -ニューノーマルがもたらす新たな経験と価値
- Part4. "US(私たち)"を強調するメッセージ
Part1. 変わりゆく日常~ニューヨークが直面するコロナウィルスの爪痕と"New Normal"

コロナウィルス感染状況が改善に向かっているとはいえ、まだまだ日常が戻るという状況には程遠く、その爪痕はニューヨークの日常を大きく変えつつあります。
公園の芝生で太陽を楽しむのはこちらの定番ですが、コロナウィルスによってその様相は大きく変わってしまいました。
写真はニューヨーク市内ブルックリン区にあるドミノパークです。
芝生には人々が間隔を空けて滞在することを促す白地の円が描かれ、その縁の中に人々が座ったり、寝転んだりしています。毎年の光景が様変わりしてしまいました。
メモリアルデーの週末はニューヨーク市警察が通常の30%アップで警察官を動員し、公園やビーチなどでSocial Distancingの注意喚起や取り締まりを行っていたようです。
そして先般、ディズニーは現在コロナウィルスにより休演中のブロードウェイミュージカル、Disney on Broadway3演目のうち、"Frozen(アナと雪の女王)"の舞台を劇場の再開後も再演しない方針を発表しました。
残り二つのロングラン演目である"アラジン"と”ライオンキング”と比較し、劇場運営に必要な観客動員が見込めないと判断したようです。
我が家では娘が大好きで、3回も観に行ったこの舞台がニューヨークのブロードウェイから消えるということを残念に思うと同時にエンターテインメント業界が直面している厳しい現実を思い知らされます。
舞台、劇場やコンサートといったパフォーミングアーツは、恐らくコロナウィルスがある程度収束し営業再開となっても、Social Distancingを考慮した収容人数の制限など、コロナウィルス前と比較して利益を大幅に減ぜざるを得ない厳しい状況が続くことは間違いありません。
レストランやカフェ、飛行機や地下鉄などの交通機関、ホテルなどの観光業なども同様の制限を求められることになるでしょう。
コロナウィルスが収束しても、以前と同じような日常は戻ってきません。
私たちはアフターコロナの世界に向けた"New Normal(新たな常態)"を今から準備し、対応していく必要があります。
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ビジネス、公的な活動問わず、アメリカのこれらの事例から何かのヒントがお届けできれば幸いです。みなさんからのコラムに関するご質問や、こんなことを聞いてみたい、知りたい!というリクエスト、叱咤激励などなど、24時間365日お待ちしております。ではまた次回コラムでお会いしましょう。