Part 4. 3社の共通点とは? -サステナビリティを実現する循環型ビジネス

1.サブスクリプション型サービスによる継続的な関係性づくり

サブスクリプション型の課金モデルは、コロナ禍の孤独経済では、外出せずに一定のサービスを購買したり、享受することができ、顧客にとっても購買コストが低い支払い方法です。
企業側にとっても、ある程度固定的な収入が見込みやすく、顧客の購買データを継続して収集できる点もメリットです。
そして、1回ごとに購買するワンタイム購買と比較して、一旦加入すると顧客と比較的安定、継続した関係性を構築しやすいことが特徴の一つです。
サブスクリプション型サービスを採用することで、データを活用した包括的な顧客理解と長期的な関係性の構築がビジネスのアセットとして蓄積されます。
2.余剰財や廃材を循環させ価値化するとともに、廃棄コストを最小化することで社会課題解決を目指す

Misfits Marketは廃棄予定だった規格外野菜・果物という余剰財を安価に販売することでフードロスとフードデザートを減らすことを目指しています。

nuulyは洋服レンタルと寄付で廃棄される洋服を減らし、環境に配慮した消費の選択肢を提供しています、そしてLiteratiは不要な本を寄付できることで、個人や社会にとっての廃棄コストの低減を図っています。
3社いずれも、消費社会がもたらす大量清算、大量消費、大量廃棄がもたらした社会的課題にサービスやビジネスのプラットフォームを提供することを通じて取り組んでおり、こうした企業姿勢や活動はよりコミュニティを支援し、社会的責任を全うしている企業を選び、利用したいと考える生活者の支持および信頼獲得に繋がります。
3.消費者を"消費者"という受け身の存在に限定しない
消費者という言葉は、企業がサービスや製品を購入する対象としてのみ認識した限定的な関係性です。
モノを売り、買ってもらって、それでおしまいの受け身の存在であり、関係性です。
それと異なり3社のビジネスやサービスでは、顧客はサービスや製品を購入するだけでなく、各企業が展開するバリューチェーンやコミュニティにおいて、積極的に価値を生み出し、流通させ、社会的課題を共に解決する関係性を構築しようとしています。
顧客側は、3社のサービスを利用することで、自宅にいながら社会的課題を解決したり、コミュニティを支援する活動に参画したりすることができます。
類似のサービスが数多とあり、次々と生まれる中で、選ばれ続けるためには、顧客と消費者としての関係性をでは不十分といえるでしょう。
引き続き、私も在宅しながら考えてみたいと思います。
それではみなさん、また次回のコラムでお会いしましょう。