NYノマド 第20回 注目を浴びるフードテック(Foodtech)ー百花繚乱のオンライン宅食サービスPart2

20.09.08 03:46 PM By s.budo

Part2. サブスクリプション型オンライン宅食サービスとの出会い
ーソーシャルメディアをフル活用した広告戦略

サブスクリプション型オンライン宅食サービスに出会ったのはオンライン広告でした。

InstargramとFacebookのフィードに流れてきた広告がきっかけだったのです。

サブスクリプション型の食料品宅配サービスを私が利用しているため、私のソーシャルメディアのフィードにこれらの広告が表示されたのかもしれません。


今回、トライアル利用したCookunityの広告をクリックした後は、私のソーシャルメディアの広告フィードはほとんどすべてサブスクリプション型オンライン宅食サービスの広告で埋め尽くされるようになってしまいました。そして類似のサービスがこれでもかというほどたくさんあることにとても驚きました。


そこでざっと簡単に、主に医療や介護など特定の市場向けではなく、一般的なコンシューマーを対象にした類似のサービスをご紹介します。


主なサービス名もしくは企業名(アルファベット順)をあげると、、、

上記16社のうち、10社をソーシャルメディアの広告で知りました。これらほとんどの企業でInstagramやTwitter、そしてFacebookなどのソーシャルメディアのアカウントを開設しており、顧客とのタッチポイントづくりやインスタ映えする料理の写真などを積極的に掲載し、ブランディングを熱心にしているようすが伺えます。


そして16社のうち、同様に7社がニューヨーク(もしくはニュージャージー)ベースの企業です。このサービスが都会のコンシューマー向けのサービスであることが透けてみえますね。
画像: https://yumblekids.com/how-it-works?funnel_version=1よりスクリーンショット画像を引用
画像: https://www.thefarmersdog.com/about-usよりスクリーンショット画像を引用

ちなみに、子ども向けの宅食宅配サービス"yumble"犬向けのThe farmer's dogといった特定の顧客向けのものもあり、いずれも、ニューヨーク発のスタートアップです。

オンライン宅食デリバリーサービスのプレイヤーの層の厚さが伺えますね。

同じ「健康志向」でも、異なるコンセプトとメニュー展開

ざっと上記16社のサービスイメージを掴んでいただくために、各社のウェブサイトから、トップページで訴求している言葉、イメージと宅食プランの価格帯の2軸で簡易なポジショニングマップを作成してみましたのでご覧ください。

図:筆者作成

全社に共通しているのは、すぐに食べることができる手軽さや時短、利便性です。

そして各社個別の特徴としていえるのは、大まかにいえば、


ベジタリアンメニューや植物性タンパク質のメニューのみを提供するなど、ヘルシーな食生活やダイエットを謳った「ヘルシー志向

ローカルな食材、旬の食材を使用したり、特定のローカルな地域で作っているという「ローカル&フレッシュ志向」

美味しさや有名レストランのシェフをフィーチャーした「グルメ志向」


がありますが、その中でも目立った特徴が、「ヘルシー志向」です。

しかしながら、ヘルシー志向と一括りにはできないほどバリエーションがあり、各社の定義するヘルシー志向やそれに基づいて提供しようとする価値に差異があるのです。

例えば、NY発のSakara Life"Clean eating"、食べることで美しい身体をデザインするというコンセプトで女性向けのおしゃれでラグジュアリー志向の宅食サービスを展開しています。


最もベーシックなプランで1日あたり24ドルから30ドル、毎月限定数で提供されるデトックスのミールプランや花嫁向けのプランもあり、併設するショップではサプリやチョコレートなども販売されています。
画像:https://www.sakara.com/よりスクリーンショット画像を引用

同様に、こちらもNYベースのDailyharvestは新鮮なフルーツや野菜をふんだんに使ったスムージーやオートミールのボウル、サラダなどを取りそろえ、朝食およびランチに特化したメニューおよびサービスとなっています。

画像:https://www.daily-harvest.com/よりスクリーンショット画像を引用

他にも、veestroは"Plant-based food(植物性食品)"のメニューを取り揃え、野菜だけでなく、今流行のImpossible burgerが展開する植物性プロテインを使用した代替肉を使用したメニューなどを展開し、健康コンシャスな顧客に照準を合わせたサービス展開を行っています。

The Good Kitchenは農場直送(Farm to table)の食材を使った料理が売りです。

NJに拠点を置くMade mealsや、NY発のMosaic foodsもローカルな食材を使用していることを強調しています。

Mosaic foodはそれに加えて動物性たんぱく質を使用しないPlant-based food(植物性食品)メニューでもあります。


このように、「健康志向」と一口に言っても、その定義やコンセプトは多様です。そして、各社様々な切り口を打ち出し、組み合わせ、独自のオンライン宅食配達サービスを展開しようと試みているようすが伺えます。

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Aya Kubosumi ノマドマーケター

コニカミノルタ、大阪ガスで行動観察やユーザーリサーチに携わったのち、GOB Incubation Partnersを創業。夫の突然の転職に伴い、東京から3歳の娘と夫とともにNY(ニュージャージー)に移住。ノマドマーケターとして、NYの人々、もの、こと、を日々観察、体験したことを素材に、日本の商品開発マーケターの皆さんと共有したいインサイトを綴ります。

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