NYの事情、風景 -経済と文化復興までの遠い道のり
皆さん、こんにちは。秋空が美しい季節となりました。ニューヨークでは市内の木々も紅葉し、秋真っ盛りです。
ニューヨーク市内では9月からの新学期の影響もあり、コロナウィルスのクラスターが複数発生し、警戒を強めています。
緊張感が高まる中、ブロードウェイは2021年5月までの閉鎖が決定、ニューヨーク・フィルハーモニックは178年の歴史の中で初めて2021年6月までのシーズン全体の公演の中止を決定してしまいました。
また、マンハッタンのグランドセントラル駅の名所の一つでもあった107年の歴史を持つグランドセントラル・オイスターバーが9月30日に約7か月ぶりに営業を再開しましたが、12日後には高額な家賃支払いなど経営の採算が経たず、再度の閉店に追い込まれてしまいました。
さらに、同じくグランドセントラル駅の至近にある、1924年創業という約100年続いた老舗ホテルであり、歴史的な建造物でもあるルーズベルトホテル、そしてマンハッタンのミッドタウンを代表するヒルトン・タイムズスクエアホテルが閉業することとなりました。ルーズベルトホテルは、第26代アメリカ大統領、セオドア・ルーズベルト大統領にちなんで名づけられたホテルで、"Maid in Manhattan"、 "Malcolm X" や "Wall Street"といった映画の舞台にもなったホテルです。
ニューヨークが培ってきた文化がこうした形で幕を下ろし、失われていく様子は何とも言えない気持ちになります。
観光とビジネス出張などの旅行の激減の影響は、ホテルやエンターテインメント業界といった産業のみならず、文化に深刻なダメージを与えています。
コンタクトフリー(接触なし)のハロウィンイベント
暗い話題ばかりでしたが、10月はなんといってもアメリカではハロウィン🎃イベントです。
例年、各地でハロウィンイベントが盛大に催され、お子どもも大人もウキウキで入念に準備し、店やデパートはハロウィングッズやデコレーションで埋め尽くされます。しかしながら今年はコロナウィルスの影響で、ハロウィンのイベントはかなり縮小され、各家庭の庭の飾りつけも例年と比較して抑え気味、もしくはやらない家庭が多いように感じます。
ニュージャージー州では知事からハロウィンイベントを行うためのガイドラインが10月早々にアナウンスされました。
その内容は、
- トリートバッグ(お菓子を子どもに配るためのバッグやかご)に入っているキャンディなどのお菓子は子どもが直接手で触れないが、取れるように工夫すること
- お菓子は個包装のものを用いること、商業的に個包装されたパッケージのものを使用する(手作りのお菓子を包装したものなどは避ける)
- トリックオアトリートをしにいく人は必ずマスクを着用すること
- トリックオアトリートをしにいくグループは1家庭に制限し、訪問する家庭数を制限すること
- 地元近隣に留まって行うこと
- キャンディを食べながらその場で集まって過ごしたりしないこと

さらに同様の事例をもう一つご紹介したいと思います。



配送という役割を担う段ボールに、工作を楽しむ機会を埋め込んでくれているこのアマゾン段ボール。複数の副次的な顧客価値を、主要な機能的価値や目的以外に埋め込むというアプローチは、顧客との関係性強化やエンゲージメントを高めることに寄与してくれそうです。
第22回NYノマドでは、「サスティナビリティから生活に埋め込まれたサスティナビリティへ」をテーマに、ニューヨークを中心に、"Sustainability"をキーワードにどのようなビジネスやサービス、プロダクトが展開されているのかをご紹介させて頂きます。そして、これらのビジネスに映る若者世代のサスティナビリティ意識と行動について検討してみたいと思います。
それでは、次回のPart1. まったなしの"サスティナビリティ"、行動する市民、個人によるエンパワーメントでお会いしましょう。