皆さん、こんにちは。
寒さ厳しい中、コロナが猛威をふるい続ける毎日が続き、不安を抱える日々をお過ごしかと思います。
第25回NYノマドでは、「コロナ禍の追い風を受けるコネクティッド・ホームフィットネス市場」をテーマに、新大統領バイデン氏のエクササイズマシンのホワイトハウスへの持ち込み騒動を皮切りに、コロナ禍で一大市場を築きつつあるアメリカのホームフィットネス機器・サービスについてご紹介したいと思います。
- プロローグ 厳戒態勢下の大統領就任式 -第46代大統領にジョー・バイデン氏が就任
- Part1. バイデン氏ホワイトハウスへお引越し -日課のエクササイズマシンが問題に?!、世界を牽引する北米フィットネス市場
- Part2. ホームエクササイズマシンのイノベーター、Apple×Netflixーペロトンバイク 細部まで作りこまれたサービスデザインとブランディング
- Part3. 家庭に入り込む、第4のスクリーンーファッショナブルな鏡型フィットネス機器"Mirror"、コネクティッド・ホームフィットネス機器の興隆からみるトレンド
プロローグ. 厳戒態勢下の大統領就任式
第46代大統領にジョー・バイデン氏が就任
アメリカでは1月20日に第46代米大統領の就任式が執り行われ、ジョー・バイデン氏が大統領に、カマラ・ハリス氏が副大統領に就任しました。
20日の朝、ニューヨーク周辺は雪がちらつき、一面銀世界になりましたが、その後すぐに太陽の日が差し始め、就任式が開始される10時過ぎには地面の雪はすっかり解け、新たな政権、新たな日常の幕開けを象徴するかのようなお天気でした。
1月6日のトランプ支持者たちの首都ワシントンでの暴動とコロナ禍で今回の大統領就任式は州兵がホワイトハウス周辺や首都ワシントンにくまなく配置され、一般参加が禁止、マスク着用やソーシャルディスタンシングを徹底した、厳戒態勢で行われた前代未聞の就任式となりました。

私も、日中に各テレビ局がYouTubeでライブ配信していた大統領就任式をディスプレイに流しながら、仕事をしておりました。時々、Twitterで大統領就任式に対する反応を見ながら眺めていましたが、ニューヨークではマンハッタンのアパートメントから、歓喜の声、鍋やホイッスルを鳴らす音などが録画された動画がシェアされていたり、マンハッタンの地下鉄、46thストリート駅では、第46代大統領の就任を祝福するこんないたずら?がされていたようです。
"46TH Joe"の下には、"45TH OUT"と書き換えられ、なかなか辛辣ですが、ユーモアのあるいたずらが、民主党支持者が多いニューヨーク市内マンハッタンを象徴しているように感じます。
そして、もう一つ、就任式中からバズっていたのは、民主党のバーニー・サンダース氏の就任式での服装でした。
極寒の中で開催された就任式、防寒対策はばっちりの彼の服装に対し、「郵便局に並んでる人みたいな服装!」、「手袋がかわいい!」といったツイートやコメントがSNS上で繰り広げられていました。
また、彼が就任式で一人座っている写真が瞬く間に加工され、様々なニューヨーク市内のシーンにサンダース氏が座っている写真がInstagramやTwitterで拡散されていました。
ちなみに、彼のこの服装は、バートン社自身がツイートしていて、ジャケットがスノーボードのアパレルブランドである132.96ドルのバートンで、パンツがユニクロの69.90ドルのウールパンツ!
庶民派のアウトルックに好感を抱いた人が多かったようです。

そしてこのサンダース氏の写真がSNSで瞬く間に拡散された後、サンダース氏の選挙キャンペーングッズ販売サイトから、この写真をプリントしたスウェットやTシャツが販売され、その売り上げを彼のホームステートであるバーモント州のMeals on Wheelsという、自宅で自分の食事を購入または準備できない人に食事を提供するプログラムを運営する団体に寄付したそうです。
ユーモアセンスたっぷり、かつ、このSNSでの反響をお金に換え、寄付するというポジティブな熱量のループは本当にアメリカらしいですね。
子ども向けの大統領就任式番組
"OUR WHITE HOUSE: AN INAUGURAL CELEBRATION FOR YOUNG AMERICANS"

さて、この大統領就任式、今年から、"OUR WHITE HOUSE: AN INAUGURAL CELEBRATION FOR YOUNG AMERICANS(私たちのホワイトハウス:若いアメリカ人のための大統領就任式祝祭"というタイトルで、子ども向けのライブ配信がホワイトハウス主催で行われていました。
「全ての人に家と食べ物を。」「全ての人が健康に暮らせるように。」「環境を守って。」という切実なものから、「ファースト・レディーのドクター・ジル・バイデンの意見にいつもきちんと耳を傾けてね。」「子どもの声を聴いてね、大人と違うハッとするような考え方や意見を子どもは持っているから。」といった実践的な意見や「女の子がもっとサイエンスや数学に興味を持つようにしてほしい。」というジェンダーギャップ是正にかかわる意見、そして今アメリカが最も必要としている、「異なる人々の声を敬意をもって聞いてください。」など、
中には「ホワイトハウスをピンク色に塗ってね、私の大好きな色のピンクにね。」という微笑ましいアドバイスも。
大統領就任式というアメリカの民主主義政治の根幹となるセレモニーや大統領や副大統領、ホワイトハウスを身近に感じる機会を提供しようという番組の意図を感じます。