Part4. 最もSNSのフォロワーを増やしたブランドは?

最後にご紹介するのは、ListenFirst社が分析した、5つのソーシャルメディア、Facebook、Twitter、Instagram、YouTube、そしてTikTokでフォロワー数を増やしたブランドです。
このスーパーボウルが放映された時間に最も多くのフォロワーを獲得した栄えある2大ブランドは、Google検索結果第4位でもあったティーモバイル(50,834アカウント)とペプシコーラ傘下のマウンテンデュー(49,048アカウント)でした。
ティーモバイルはNFLスーパースターのトム・ブレイディさんの起用と、NFLからオンエア禁止になった曰くつきのCMとなったことが貢献し、第1位のフォロワー数獲得。
ティーモバイルがオンエア禁止されたことを公表したツイートにはなんと462,635件のコメントがついたといいます。
これは禁止されることを予測し、話題にされることを意図した"敢えて"企画制作されたコマーシャルだったのか否かはティーモバイルのみぞ知る、ですね。
マウンテンデューは何本? 数当てコンテスト企画
クイズの回答をTwitterアカウントから投稿してもらうことで、エンゲージメントを獲得するという作戦です。
そこまで目新しいような企画ではありませんが、一気に多くのフォロワーを獲得するということにおいては結果にコミットできた企画となりました。
2021年のスーパーボウルCMから見えてくること
30秒の枠が推定6億円、今年は65のコマーシャルがオンエアされたスーパーボウルサンデーですが、その新旧様々な顔ぶれを眺めるだけでも、今勢いのあるブランドや企業、そして広告のトレンドを垣間見ることができます。








最後に今回ご紹介したコマーシャルを中心に、かなり粗い印象論になりますが、いくつか共通のトレンド、傾向を総括してみたいと思います。
1.ライトなジョーク、笑えるストーリー
今回ご紹介したティーモバイル、チートス、アマゾンのアレクサ、ウーバーイーツ、パラマウント・プラスなど、自社の商品やサービスを絡めたちょっと笑えるジョーク的なストーリーやテイストのコマーシャルが多く登場しました。
まだまだパンデミック等で様々な国家的難局に直面しているアメリカ、大多数の人にとって分かりやすく当たり障りのない笑いに着地しておくことで、ネガティブなコメントや論争を巻き起こさないものにする、もしくは、スーパーボウルというポジティブに熱狂する、楽しむイベント機会を一緒に盛り上げるようなショー的なコマーシャルにしようという意図があるように感じます。
2."United" Americaへのメッセージとインクルーシブな貢献
ジープやトヨタのメッセージ広告、バドワイザーの敢えてスーパーボウル広告を出さずにCOVID-19ワクチン啓蒙広告に寄付をする、など、パンデミック下のアメリカを取り巻く困難に"United"な、一致団結し、立ち向かっていくアメリカを語り掛け、呼び掛けるメッセージ広告が少なからずありました。
また、キャストにおいても、ダイバーシティやソーシャルインクルージョンが意識された有色人種のキャスティングが目立ちました。
今のアメリカの世相や心の機微に寄り添う、真正面から切り込む、もしくは配慮するといった様々な塩梅でCMコンテンツの中で表現されていました。