- プロローグ 全米で18歳以上のCOVID-19ワクチン接種が可能に。アメリカの出会い系オンラインサービス事情
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全米で18歳以上のCOVID-19ワクチン接種が可能に

先月、私も第1回目のコロナウィルスワクチン注射の接種を行いました。
ワクチン接種が可能なサイトが複数あり、州や郡の自治体が運営するワクチンサイト、病院、CVS Pharmacy、Walgreens、Acme Pharmacyといった処方箋薬局を持つドラッグストアチェーン、全米で小売店を展開するWalmart等の選択肢があります。
ワクチン接種がスタートしてから、ワクチンファインダーという、マップ形式で自分が住む近隣でワクチン接種が可能なサイトを検索できるウェブサイトや、Solvという病院情報のプラットフォームを提供する会社が提供するワクチン接種予約を探すことができるアプリなどが次々と誕生しています。
これらのサイトやアプリでは、郵便番号を入力すると自動的にワクチンサイト、接種可能なワクチンの種類、ワクチン在庫の有無、予約可能かどうかを調べることができ、予約可能な場合は予約手続きができるウェブサイトに移動することができます。
リアルタイムにワクチンの在庫情報や予約可否を把握することができますので、私もこれらの情報源を利用して事前に自宅の比較的近隣でワクチン接種が可能なサイトを把握し、予約可能になったら即座に予約できるように準備を整えることができました。
具体的には、ドラッグストアやサイトによって接種可能なワクチン種が異なるので、当時接種可能だったモデルナ社とファイザー社の2種類のワクチンのうち、2回目の接種期間が短いファイザーを受けることを決め、ワクチンファインダーで検索すると私の近隣ではファイザー社のワクチンの接種が可能なサイトがWalgreensのみであることを確認、予約がオープンになった日にWalgreensのワクチン予約サイトですぐに予約を行うという手順でした。
Walgreensのウェブサイトでは、ワクチン接種資格や疾患に関する情報などを入力すると、マップ形式で予約可能な店舗の位置情報と予約可能時間が表示され、第1回目、第2回目の両方の接種予約を一度にすることができました。

このワクチンファインダーやSolv社が提供するワクチン探しのためのウェブサイトでは一目でマップ上に自分がワクチン予約の意思決定に必要な情報がシンプルにまとめられている点が秀逸です。
特にSolv社のサイトでは、接種可能なワクチン種の情報まで表示されます。
アメリカでは国策としても、できる限り早く、多くのアメリカ国民、国内居住者がワクチン接種を完了し、集団免疫を獲得することでパンデミックの終息と通常の社会、経済活動の再開を図っていますので、こうしたワクチン接種に必要な手続きや情報提供の整備などはかなり精力的に官民で取り組んでいる印象を持ちます。
さらに、多様な民族、人種の人々が暮らしていますので、ウェブやスマートフォンのアプリ、テキストメッセージ、電話など様々な方法での情報提供とともに、ウェブやアプリではマップなどを用いたビジュアルでの情報提供などUIデザイン面でも、誰もが直感的に即座に使えるようなデザインが意識されているようすが伺えます。
日本でもこれから本格的にワクチン接種が展開されると思いますが、どのような手続きで、どのように情報が提供され、どのように具体的な予約手続きができるのか、を観察すると、これらの背景にある日本の公共サービスに対する概念や思想などが浮き上がってきそうです。

ドラッグストアWalgreensでのワクチン接種


接種を終えると、CDCのワクチン接種カードに第1回目の接種が記録され、2回目もこの接種カードを持参し、記入してもらい、完了するとワクチン接種完了の証明書代わりになります。
ワクチン接種はアメリカでは昨年12月14日からスタートしていますので、4か月半ほどの期間で官民が運営するワクチンサイトでワクチン接種の手続きがすでに確立され、スムーズに運用されている点には驚きます。
多様なユーザーや課題、ニーズに対応するためには、出してみて、スタートしてみて改善するというアプローチが必然的に求められるのかもしれません。
アメリカの出会い系オンラインサービス事情

日本では4月から新年度が始まり、新たな出会いが増える季節ですね。
コロナ禍で新たな物理的な出会いの機会を作りづらい環境下で、アメリカでもオンラインツールを活用した出会いやコミュニケーションへの需要が増えているといいます。
アメリカで出会い系のマッチングアプリ、サイトといえば、その人を気に入ったら右にスワイプするUIがヒットしたティンダーです。
日本でも一定のユーザーを獲得していますね。
しかしながら、ここ数年、アメリカのダイバーシティを反映した様々なマッチングアプリやサイトが登場しています。
ソーシャルメディアのFacebookはマーク・ザッカーバーグ氏が大学在籍中にマッチングを目的にスタートしていることは旧知のことですが、同じくソーシャルメディアのYouTubeも、もともとは動画を使った出会い系アプリとしてスタートしていたことをご存知でしょうか。
こうしたエピソードを鑑みると、"新たな出会いを作る"場や機会には、新たな価値が生まれる素地を内包していると考えることができるかもしれません。
アマゾンは自社のパロディサイトで、出会いを販売するAmazon Datingという架空のサイトを作り、アマゾンがゆくゆくは人との出会いもマーケットプレイスで販売する可能性を面白おかしく示唆しています。
普段なかなか出会い系アプリやサイトを知る機会がなかったのですが、とあるクリエイティブ系のイベントでLGBTQ+向けの出会いアプリやサイトの話題を耳にする機会があり、アメリカの出会い系アプリやサービスの多様さ、ユニークさに関心を持ちました。
そしてアメリカの出会い系アプリについて調べてみると、こんなにも...!と想像以上にたくさんの多様なサービスが展開され、そこには出会いを求める人々や出会いを規定する社会通念などに対する鋭い洞察が存在していました。
そこで、今月のコラムでは、新たに登場しているマッチングアプリ・サイトで、新たな出会い方や出会いの場を提供しているサービスを中心にご紹介し、人々の出会いかたや関係性構築への価値観、行動の変化について考えてみたいと思います。