スタートアップたちの大胆なピボット、高速アジャイル改善から学ぶこと
全てを最初から完璧にすることはありえない、ベータ版でも、ダーティプロトタイプのレベルでも、外に出してブラッシュアップしていく、これが成功の近道と言われれば、確かにそうであると思います。
デザイン思考が日本企業の間で採用され、ラピッドプロトタイピング、という言葉が浸透するようになっても尚、このプロセスをやればいいという認識に留まっているように感じます。

スタートアップや起業家向けに製品開発、デザイン、マーケティング、オペレーションや事業拡大のためのチームを提供しているビジョンエックス・パートナーズ(VisionX Partners)を率いるアブド・ライアニ氏(Abdo Riani)はフォーブズに寄稿した記事でこのように述べています。
アボは2021年9月29日に8000万ドル(日本円でおよそ89億円)の資金提供を獲得、ミスフィッツは9月14日に2億2500万ドル(日本円でおよそ250億強)の資金を孫正義氏率いるソフトバンク・ヴィジョン・ファンド2から受けたと報じられています。
アブド・ライアニ氏が強調するように、愚直に、かつ息をもつかぬような高速で実践、ピボットという試行錯誤を通じてアイデアや価値を市場にフィットさせ、結晶化していくことがこれらのスタートアップたちの成長を生み出しています。
今回のコラムで共有させていただいたように、正直なところ、両社ともに配送クオリティはお世辞にもよいと言えない程のレベルです。しかしながら、実践、ピボットできる領域から着実に取り組み、高速改善することが成功への近道であることを、この両社のサービスを利用する顧客の一人として実感せずにはいられません。
「できることからとにかく実行する」、シンプルで当たり前のことですが、これがアメリカのスタートアップたちのイノベーション創出とスケールを支えています。
それではみなさん、また次回のコラムでお会いしましょう。