弾丸広告メールによる扇動消費から、スロー&コンシャス販売への変化
アンチ・ブラックフライデー、アンチ・コンシューマリズムを宣言する企業たち
デシエム(DECIEM)

"Bye-bye Black Friday, hello Slowvember. 🐢💛"
パタゴニア(Patagonia)
さて、ブラックフライデーのボイコットを宣言した企業はデシエムだけではありません。ブラックフライデーやサイバーマンデーのセールを行わないことを先駆けてアクションしてきたアンチ・ブラックフライデーの老舗、パタゴニア(Patagonia)は同社のツイッターアカウントに寄せられた顧客からのブラックフライデーについての問い合わせに対して、
と回答コメントをツイートしました。
新たな消費のみにフォーカスするのではなく、既に使っているものや使わなくなったものにも焦点をあて、できる限りそのプロダクトの価値がある限り、大切に使い、扱うことを訴えています。
Hi Michael! We will not be participating in Black Friday or Cyber Monday. Instead, we're encouraging everyone to give their old and unused items a new life. Feel free to check out our Worn Wear site which features our gently used gear! https://t.co/Z2mnz44ZyG
— Patagonia (@patagonia) November 24, 2021
ミール (MiiR)
こうした、アンチ・ブラックフライデーに始まる大量消費主義への抵抗は、2012年にニューヨークの慈善団体92nd Street Yと国連基金が始め、アメリカ合衆国の感謝祭後の火曜日に国際的な「寄付の日」を設け、ブラックフライデーやサイバーマンデーの商業活動と消費者主義に対抗するようという社会的なムーブメントの"ギビングチューズデー"が定着しつつあり、今年もディズニー社が12月31日までに購入された全てのディズニーの本に対して、本や教育関連のリソースを必要な人に届ける活動をしている非営利団体ファーストブックに本を寄付する活動や、ケンタッキーフライドチキンがギビングチューズデーに購入されたチキンサンドイッチ一つ毎に、飢饉撲滅の活動を行うブレッシングス・イン・ア・バックパック(Blessings in a Backpack)に1ドルの寄付を行う活動を行いました。
他にもFacebookを展開するメタ社などを筆頭に様々な企業が今年もギビングチューズデーに参加していますが、こうしたギビングチューズデーの機会が大企業による大量消費主義の罪悪感をこの時だけ一時的にリセットし、そのイメージをカバーするような機会になってしまわないことを願うばかりです。
そうなったとしても、消費者の目には明らかかもしれません。
今回ご紹介した3社のように大量消費主義を前提としたリニアなビジネス視座や、モノを売る、買うという企業と顧客との限定的な関係性に囚われることなく、真摯にお客様や社会と向き合い続け、透明性を持ってメッセージを発し続ける企業が存在感を増していくでしょう。