新学期の準備あれこれ
皆さん、こんにちは。10月になり、こちらの気候はめっきり涼しくなり、秋らしい季節となりました。この時期は、日差しがあると日中は半袖でも過ごせる日もありますが、長袖を着ないと肌寒い日が混じったような、日本とあまり変わらない気候です。

アメリカ人の食生活に定着するか?!プラントベースミート
さて、今回のコラムの主題に入ります。

需要喚起というキーワードで、最近私が気になっているのが"プラントベースミート"もしくは“オルタナティブミート"と呼ばれる新しい代替肉商品です。
大豆や豆などを主原料とし、ニュースや記事などで、大手ハンバーガーチェーンがオルタナティブミートを使ったメニューを展開する計画を発表したり、採用を検討するといったものを目にするようになりました。
環境保護団体や政府関連の団体もこのムーブメントを後押しするように、様々な調査結果を公表したり、PRをしたりする動きが加速しているように感じます。
(写真:Impossible Foodsウェブサイトより引用)

日本では"大豆ミート"といった商品名で紹介されていることが多いかもしれません。健康食品の専門店に行かないとなかなか目にする機会は少ないですね。マクロビオティックのレストランなどでも使われています。健康志向の方や、お肉にアレルギーがある人などしかあまり食べたことはないかもしれません。
日本ではまだまだ認知度も低い中、ちょうど、最近、ポテトチップスなどのスナック菓子大手製造メーカーの湖池屋が、「罪なきからあげ」という大豆タンパク質を主成分とする唐揚げの新商品を開発し、東東京および千葉エリアのセブンイレブンで販売を始めたという広報リリースをウェブでみました。
一袋26グラムで124キロカロリー。
日本に行ったらぜひ試してみたいですね。
日本でも徐々にコンビニなど身近なチャネルでオルタナティブミートの商品をみたり、購入したりする機会が少しずつ増えていくと考えられますが、日本ではどのように展開していくのでしょうか?
アメリカの現状をもとに、今回はオルタナティブミートの市場動向や話題になっている背景、そして日本での可能性などについて考えてみたいと思います。
(写真:湖池屋上記ウェブサイトより引用)
現在の米プラントベースミート市場概況
今年に入ってから、食品や健康市場関連のニュースをみていると、プラントベースミート関連の情報がかなり増えてきているように感じます。
実際のプラントベースミート市場はどのような現状なのでしょうか。
スイス最大の銀行、UBSが発表した市場予測によれば、世界で2018年に46億ドル(日本円で約4943億円)だったプラントベースミート市場は、健康および環境志向への関心の高まりを追い風に消費者の関心と需要を喚起し、2030年に850億ドル(日本円で約9兆1344億円)に達すると予想されています。
アメリカでは肉以外にも、牛乳の替わりに豆乳、アーモンドミルク、ナッツ系ミルクを代わりに引用する文化が定着していますが、アメリカにおけるプラントベース(植物性原料)のミルク商品市場は昨年から6%成長しており、プラントベースの日用食品市場は2025年までにアメリカで375億ドル(日本円で約4兆302億円)まで大きくなると予想されています(https://www.fooddive.com/news/plant-based-meat-market-forecast-to-reach-85b-by-2030-report-says/559170/)。
もっとも、この予測をしているUBSはImpossible Foodsに投資しているので、この予測自体、かなりPR的な側面があるかもしれません。しかしながら、ワールドワイドに食品ビジネスを展開するダノンがプラントベースミートの商品の取り扱いを開始したり、ダノンが125億ドルでWhiteWaveという大豆などの植物性原料の商品をアメリカの消費者に販売しているオーガニック食品メーカーを買収したり(https://www.fooddive.com/news/plant-based-meat-market-forecast-to-reach-85b-by-2030-report-says/559170/)、米ディズニーが運営する施設でプラントベースミートを使用したメニューを提供すると発表しているなど、プラントベースミートの導入が加速しています。
このように、プラントベースミートはアメリカでもかなり大きな市場を形成すると予測されており、投資家たちもプラントベースミートを製造販売する企業への投資熱が高まっているようです。
米2大プラントベースミート企業

アメリカで初期からこの市場のプレイヤーは、Beyond MeatとImpossible Foodsです。
前者はファストフードやレストランマーケットにシェアがあり、後者はスーパーなどの食料品店にフォーカスしてビジネスを展開しています。

次回の中編では、プラントベースミート市場形成の背景、そして実際に商品を買って試してみた体験をお伝えします。
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