第12回 オフラインコミュニティ「初顔合わせ」

20.07.22 03:14 PM By s.budo

これまで、私のコラムでは、異業種交流を行うコミュニティの創出に関してのノウハウを語ってきました。

特に第3回のコラムなどでメンバー同士の組み合わせについて、その人の性質や職業をどのように組み合わせるか?という点について語りましたが、今回は別の視点で組み合わせについて見てみましょう。

それは、参加した時点においてお互いが知り合いであったかどうかという点です。
知らない人ばかりのところに行くのもどうかと思いますので、そのあたりを開催する際には工夫しているつもりですが今回は実態を見ていきましょう。
上記は、半年以内に行われた参加者と主催者(私)同士の関係性を図にしたものです。丸は人を表し、中の数字は開催が行われた時点での過去の参加回数です。初参加の場合は0になります。丸同士をつなぐ実線はこの会が開催された時点で、私の主催する異業種交流とは関係なく知り合いだった人物を示し、点線は過去の異業種交流会で知り合いだった人物を示します。上の図の場合、主催者を除く7人のうち6人はもともと主催者の知り合い、1人は主催者と知り合いではなかったものの交流会参加者経由で知り合い過去に4回も参加した人物になります。


最近の私の開催した集まりに関して、この関係図を、昨年から今年にかけて行われた交流会について作成してみた所、大きくわけて二つのパターンがありました。

パターン1 誰か知り合いがいるケース

さきほど紹介した例もそうですが、少なくとも主催者以外にもともとの知り合いがいる状態で誘うパターンです。

上記に記載した別パターンの集まりにおいても、参加者は参加時点で主催者以外の知り合いがいます。


誘うときには、前回来てもらった時にいた別のメンバーを含めて誘う形になっていました。(もともと、話が合いそうな人でマッチングしているため結局何度もキャスティングが被ったのが一番の原因と思いますが)異業種交流会といいながらすべての人が初めてではなく、半分より少なめの人数と初めて会うくらいを目安に声をかけ開催しています。

パターン2 初めて参加する人を含む場合

続いて、初めてのメンバーを誘う場合について見てみましょう。このパターンは、さらに3つに分かれます。

パターン2a  常連さんに、少人数の初参加を入れるパターン

まずは実際の図を見てみましょう。

半分程度は面識がある同士の常連さんに対して少数の初参加のメンバーを誘うパターンです。初参加のメンバーは主催者との関係性しかない状態で参加するスタイルです。初めて参加する人にとってみれば、みんなが知らない同士の中に飛び込むより、すでに出来上がったコミュニティに入る方がプレッシャーを感じるような気もするかもしれませんが、このようなスタイルにしています。意図として、常連が多いことで集まりのカラーが示しやすいこと。また、顔見知りが多いことで初参加のメンバー以外の情報交換を抑制し、初参加のメンバーを中心とした話に巻き込みやすいためです。

パターン2b  常連さんに対して半数程度初参加を入れるパターン

これも実際の図を見てみましょう。

さきほどは主催者以外の8人に対して3人の初参加を入れましたが、これは同等の数が投入された場合です。
主催者以外知らないような人物を一人だけ入れるのは避けたいために、初参加のメンバーをまとめて確保して導入することが優先で、常連メンバーが結果として集まらなかったケースです。(ドタキャンOKな飲み会なので、この回も予定としては常連がおおくエントリーされていました)パターン2aを目指したものの崩れた形です。
ここでこのパターンを紹介したのは、一人だけ初参加となるアウェー感を出さないことを優先していることを示すためです。

パターン2c  常連さんの紹介で初参加を入れるパターン

これも実際の図を見てみましょう。

初参加でかつ主催者も面識のない人のパターンです。主催者と面識がないものの、常連経由で誘うパターンです。
パターン2の派生として紹介していますが、実態としてはパターン1の派生に近く、主催者の知らないメンバーを過去の常連が連れてくるパターンです。パターン2bで避けたいと言っていた一人だけ初参加にはなっていますが、会に何度も参加している常連メンバーの推薦を全面的に信じてこのような形で開催したこともあります。
以上が、参加した時点においてお互いが知り合いであったかどうかという点で振り返った実際の結果です。
異業種交流会といっても、気兼ねなく話せることを優先しており、すべての人が知らない人というようなことはそもそも目指しておりません。
同窓会のような形式はマンネリ化するリスクも高いのですが、一概に悪いわけではなく、何度も会うからこそ相手の人となりがわかるメリットもあり、このようなスタイルに落ち着けながら、異業種交流会を維持しています。
プロフィール
Ito. As IS アイディエーションエスノグラファー

電子機器メーカーのマーケティング担当。新規技術開発、新規事業開発部門に所属しながら市場調査や企画、新規事業創出プロセスの構築に従事。業務の傍ら、複数のベンチャー企業のインターンシップに参加し、販促や商品企画に携わった後、会社の副業解禁に伴いmo4maにGoodwill Partnershipを締結して参加。エスノグラフィー(行動観察)を基にしたアイディエーションを得意し、市場観察の一環として独自のネットワークを構築、様々な調査設計を始め、商品開発の企画支援、外部マーケターズパネルの運営を行う。


パロアルト研究所認定エスノグラファー PARC certified fieldworker 資格取得

s.budo