- プロローグ アメリカでの東京オリンピックのメディア報道
- Part1. 興隆するD2C(消費者への直接販売)ブランドをターゲットにした体験型展示店舗とRaaS、コンシャスな消費とそれを体現するブランドを共に育てる場 ―ネイキッド
- Part2. ネイキッドのコンセプトが生まれた背景
- Part3. ネイキッドの対抗馬 ―D2Cブランド、アートが集う世界一おもしろいお店、ショーフィールズ
- Part4. 新興RaaS企業からのメッセージ ―RaaSと物理的店舗の意義
アメリカでの東京オリンピックのメディア報道
アメリカではニューヨークのロックフェラーセンターに本社を構えるNBCが東京オリンピックの放送権を獲得しており、テレビやストリーミングサービスを通じてオリンピックの様子を配信しています。
開催国ではないアメリカでは、NBC以外のメディアはニュースなどでオリンピック関連のニュースを取り上げてはいるものの、日本のメディアのように熱狂しているように感じません。
アメリカ選手やチームの話題とともに、各国から参加し、メダルを獲得した選手やチームの報道が中心で、選手村の様子などを事細かにレポートするニュースは少ないように感じます。
私もアメリカでどのようにオリンピックが放映されているのかに興味があり、NBCが放映したオープニングセレモニーをNBCのウェブサイトで観てみましたが、キャスターがセレモニー後に今回のセレモニーの感想について、印象的だったシーンはドローンを眺めながら、イマジンを歌った場面と話していました。
皆さんにとって印象的だった場面はどこでしょうか。
アメリカメディアの報道では、特に前回のリオオリンピックで4つの金メダルと銅メダル1つを獲得している女子体操のシモーン・バイルズ選手が体操女子団体決勝を途中棄権を7月28日に発表したことが大きく報道されていました。
その翌日の7月29日、たまたまテレビをつけるとNBC系列局のUSAで東京オリンピックの様子を放送していました。
その放送中にナイキのテレビコマーシャルをみかけました。
場面は誰もいないプレスルーム、登場する人は誰もいません。しばらくするとナレーションが入ります。そして、"Tomorrow, We Will Respect Mental Health(明日、私たちはメンタルヘルスに敬意を表します。)"で締めくくられる30秒の短いものです。

シモーン・バイルズ選手、そしてメンタルヘルスを理由に全仏オープンでの記者会見を拒否したテニスの大坂なおみ選手を筆頭としたアスリートたち、そして私たちに対してもメンタルヘルスをネガティブに捉えることから脱却し、ポジティブかつオープンに語ることを問題提起するコマーシャルなのでしょう。
とても印象的なコマーシャルだったのですが、なぜか、ナイキのウェブサイトやソーシャルメディアアカウントでこのコマーシャルを探すことができず、その後はこのコマーシャルにテレビで遭遇することもありませんでした。
ミステリアスのアこのコマーシャル、どの時点で制作されていたのかは分かりかねますが、このタイミングで放映し、アスリートのメンタルヘルス問題を擁護し、支援する姿勢はとても印象的でした。
日本のスポンサー企業が現状のオリンピックや選手、日本社会と向き合いながら、スポンサー枠のコマーシャルを放送しているのか、気になっています。
久々のニューヨーク街歩き ―息を吹き返すマンハッタンのローカルビジネス

ソーホー、ノリータ周辺はアパレルショップやカフェ、レストラン、ギャラリー等が多く集い、またルイ・ヴィトン、シャネル、グッチといった高級ブランドも軒を連ねるファッションエリアでもあります。
日本では東京の表参道といった場所に近いイメージでしょうか。
散策した当日もいくつか高級ブランドショップの前を通りましたが、群を抜いてルイ・ヴィトンショップに人が連なっていました。
現在は予約制の入店でショッピングができるようになっているにもかかわらず、15人ほどは店外に並んで入店を待っている状態でした。
それなりに人通りもあり、レストランやカフェによっては人が多く集う場所もありましたが、まだまだシャッターが閉じられ、テナント募集のサインが掲示されている店舗やこれからオープンする予定の改装中の店舗も多く見かけ、コロナウィルスによるパンデミックからの復興の道半ばであることを感じます。
それでも、道を行き交う人々やカフェや公園に集う人々の様子からは、ようやく戻ってきたニューヨークの日常を楽しむ空気が伝わってきます。

途中立ち寄ったノリータ地区の東側、リビングトンストリートに面しひっそりと佇むこちらのチャイ専門店「The Hideout Chai Bar」では、シンプルかつミニマムなデコレーションの店内で、冷たいチャイを飲みながら一涼みする談笑するお客さんグループが夏の昼下がりの時間を楽しんでいました。
オーナーのChristopher Brunetさんは地元ニューヨーク出身、チャイに魅了されて2017年にこのカフェを開いたと言います。
定番のマサラチャイを始め、ほうじ茶チャイなど複数のチャイメニューがありますが、全てのチャイは牛乳ではなくオート麦のミルク、オートミルクで作られています。

若者が集うトレンド発信基地 ソーホー、ノリータ地区
そして今回の散策の中で私の目をひいたものの一つがこちらのカフェ、カフェ・レオン・ドレ(Café Leon Dore)。


まだお昼前の時間帯でお店の前にはたくさんの若者たちが集い、コーヒーなどを片手に談笑していました。
外から店内を眺めると、カフェというよりはアパレルブティックのように見えます。
こちらはニューヨーク、クイーンズ発、主にメンズファッションとインテリアなどを展開するライフスタイルブランド、エメ・レオン・ドレ(Aimé Leon Dore、以下ALD)のカフェ兼ブティックでした。
ニューヨーク、クイーンズ地区のミックスされた様々な異文化をシンプルに表現した自らのストリートブランドを展開するとともに、ニューバランスなど様々なブランドとコラボレーションしたり、ビンテージファッションやインテリアグッズなどをキュレーションしたラインナップはニューヨーカーたちに人気となっています。
こちらノリータにあるカフェ兼フラッグシップ店が唯一の自社実店舗となっておりノリータのお店の前にはカジュアルな中に品の良さを感じさせるファッションを身にまとった少なくとも20人ほどの若者世代が集い、こぢんまりとした店内でも何名かショッピングをしているようすが伺えました。
こちらのカフェ兼ブティックに立ち寄り、店内に滞在しているだけで、シックでクールなニューヨークのライフスタイルを自分が体現しているかのような気分になってしまう不思議な空気感があります。
