私は自身が作り上げてきたオフラインのコミュニティをこれまで紹介してきましたが、何か特定の問題に取り組むのではなく、敢えて議題や解決を強制しないことで気軽な雰囲気を作ってきた、というような説明をしてきました。そして、その緩さから開催数が70回を超える会を構築したとも説明しましたが、その楽しく話してきた内容について今回は紹介したいと思います。
会ごとに話される内容は、事前に予期できずランダムに近いので、何の話が聞けるかはわからないという不安定さはあるものの、通してみると次に紹介するような内容が交わされ、参加者をひきつけています。
前回は比較的多くのメンバーから聞きやすい話題、本人の年齢や職業に由来する内容を紹介しましたが、今回はメンバーの個性や専門性に依存する話題を中心に紹介したいと思います。
※前回のコラムはこちら
話題1. 経営者の思考

企業の代表や経営者、VCなどが参加する会においては、経営層ならではの話が聞けます。
どのような方針で仕事をしているのか、事業を運営する上での課題や対策、従業員との接し方や資金の使い方など、私も含めメンバーの多くは従業員、サラリーマンなど非経営層であることが多いのですが、そのような立場から聞くと非常に楽しめる話題となっています。
話題2. ベンチャースピリッツ

ベンチャー企業の方も参加する会では、彼らからベンチャー企業で働く考え方が見えてきます。
大企業に所属していると仕事は待たずとも降ってくるような中で働くことも多いのですが、自らが動かなければ仕事が回ってこず、解決もしないベンチャーというシビアな環境で働く彼らの姿勢は対照的で、サラリーマンとしての働き方を考えさせます。仕事の取り方や選び方一つとっても、独特ですし、ポリシーやキャリア形成などの仕事に取り組むスタイルは固まった価値観に新しい考えを吹き込んでくれます。
話題3. デザイン理論

企業のデザイン部(ハード、UI等)やフリーランスのデザイナー(イラスト、工芸品等)と話す際は、デザインに対しての手法や戦略などで盛り上がることが多いです。
交流会のメンバーにはエンジニアの方も多く、どちらかといえば、Howどのように課題を解決するかが専門のエンジニアの方は、何を解決すべきかWhatを考えることが多いデザイナーに対し、苦手意識やセンスでどうにかしていると思いがちで苦手意識を持つ方もいますが、彼らは矛盾や疑問をなくすため、方法こそバリエーションはありますが、非常に論理的な考えを持っています。特にデザイナーは自身の手法に関して言語化が得意であるとともに、新しい手法に関心があるため複数の手法に精通していることも多いため、じっくり聞き出してみるとおもしろいですし、デザイナーとの仕事がやりやすくなります。また市場に対する仮説や示唆も豊富なので将来が見えてくることもあります。
話題4. 行動力満載のエピソード

ベンチャー企業に働く人に関わらず、行動力がぶっ飛んでいる人の過去のエピソードも交流会で盛り上がる話の一つです。
気が付いたら会社を立ち上げていた、会社を辞めていたというような行動や、プログラミングの経験がないのに一から勉強してソフト会社を立ち上げた話、ボランティアのためにユーザーヒアリングを大量にした人や、一年早く就活を始めた大学生(就職時は中退前提)、某有名イベントを立ち上げた人など、自分自身のこれまでの常識を超えるような経験を共有してもらうことは非常に有意義です。自分は同じことが出来ないだろうが、10分の1でもマネできれば、自分にプラスになるんじゃないか、という気持ちにさせてくれ、新しいことに取り組む勇気を与えてくれる話題です。
話題5. ディスカッション
参加者の業務で検討しているテーマについて話し合うことがあります。
小規模な社内提案レベルのアイデア検討もあれば、実際に世に売り出されることになったものもあります。単なる練習や仮想の課題ではなく、実際に業務等で抱えているテーマについて語ることは貴重ですし、世に出たものは市場のリアクションをもってアイデアに対する結果を得ることが出来ます。
話題6. ロールモデル

人生や仕事などについて自身のお手本となるような人、ロールモデルとなる人との交流も盛り上がる話題の一つです。
メンバーの経歴、今までしてきた出来事、その背景、決断した理由、積み上げたキャリアについて紹介や共有をしていくうちに、近い将来や遠い将来に重ねたいと思うようになり、いろいろと聞いてしまうということもあります。
今回は、私の主催する異業種交流会で話される、参加者の個性や専門性に依存した話題について紹介しました。
(グループでくくらなければ、まだまだあるのですが)前回紹介した話題に引き続き、このような話題が楽しくて私が会を続けようとしている理由であると同時に、会が続いている理由だと思います。