NYノマド 第31回 米リテイル業界をドライブする体験型キュレーション店舗ビジネスとRaaS  Part1

21.08.11 10:52 AM By s.budo

興隆するD2Cブランドをターゲットにした体験型展示店舗とRaaS

写真:外からのネイキッドの店内のようす、筆者撮影

カフェ・レオン・ドレの隣には、近未来的な印象を発信する店舗が並んでいます。

こちらは様々な最新プロダクトがキュレーションされたブランドや製品を発信するフラッグシップショップ、ネイキッド(Naked)です。


店内に足を踏み入れると、ボルボの高級電気自動車ブランド、ポールスター(Polestar)の最新モデルPolestar2の黒いボディが目に飛び込んできます。

コスメ、食品、ガジェットなど幅広いラインナップの製品が並べられ、第25回コラムのホームフィットネスでご紹介したコネクティッド・ホームフィットネス機器トーナル(Tonal, tonal.com)や第22回コラムでご紹介したビーガン素材でできたEバイク、タルフォーム(Tarform)もディスプレイされていました。

コンシャスな消費とそれを体現するブランドを共に育てる場 
ネイキッド

ネイキッドはどんなお店なのでしょうか。ネイキッドを紹介するウェブサイトのページには、

―"A highly curated assortment of the most innovative, sustainable and community-driven brands."

(最も革新的で、サステナブルで、コミュニティ主導のブランドを高度にキュレーションした品揃え。)

―"Naked, a shopping solution that facilitates brand activations and custom concept stores, is redefining “conscious consumption.”

(ネイキッドはブランドの活性化を促進するショッピングのソリューション、かつ、独自のコンセプトストアで、コンシャス消費(意識ある消費)を再定義しています。)

と書かれています。


消費者にとっては、未来を体現する新しいブランドや商品との出会いの場を提供し、意識ある消費を生む物理的店舗であり、かつ、D2Cブランドなど直接顧客と物理的に接する機会を持たない、もしくは機会が少ないブランドや企業にとっては、顧客との効果的な接点を比較的少ない投資で提供してくれるサービスであるといえます。


ネイキッド店内の様子は公式インスタグラムにビデオが掲載されていますので、そちらをご覧いただきつつ、まずはネイキッドにラインナップされていた主な商品をざっとご紹介したいと思います。

未来のモビリティ 
ポールスター、タルフォーム、ケーク

写真:筆者撮影

今回訪問した期間にはスウェーデン発の電気バイクのケーク(Cake)から、Ösa lite、ボルボ社が展開する電気自動車ブランドのポールスター(Polestar)からPolestar2、ニューヨーク発の電気バイクでエコフレンドリーな素材で作られ、サステナブルなライドを追求するタルフォーム(Tarform)のLUNA、デンマークコペンハーゲンの電気バイクのスタートアップ、メイト(MATE.)が展示されていました。


それぞれ未来のモビリティを体現する存在感のあるデザインが人目をひきます。ポールスター2はドアを開けて中に入って座ることができます。

テクノロジーとサステナビリティを追求したヘルスケアプロダクト

写真:ホームフィットネス、トーナルの展示、筆者撮影
写真:シンプルブラッシュ、筆者撮影

デジタルフィットネス機器とワークアウトプログラムを自宅でジムのようなフィットネスを提供するトーナル(Tonal)、こちらはここでワークアウトのトライアルをすることもできます。

口にくわえるだけで一度にすべての歯を磨くことができるニューヨーク発のスマート歯ブラシ(SymplBrush)、スタイリッシュなマッサージ機器を展開するセラボディ社(Therabody)のTheragun MiniとElite

未来のライフスタイルとアイデンティティを体現するブランド&プロダクト群 
カナビス(大麻)製品から日本初の苺まで

写真:ネイキッド店内の様子、筆者撮影
写真:ネイキッド店内の様子、筆者撮影
写真:ネイキッド店内の様子、筆者撮影
最も展示が多かったのがメイクアップ、ボディケア、スキンケア関連商品と機能性健康食品のカテゴリです。

大麻成分CBDのパッチ等を展開するロスアンゼルスのFleur Marche、同じくCBDオイルなど、CBD商品を2018年からニューヨーク発で展開するCerena、オレゴン州ポートランドベースのCBDオイルを扱うRemedy Plant Lab、男女問わず楽しめるポップなメイクアップ商品を展開するサンフランシスコのYouthforia、大麻植物の精神活性カンナビノイド成分であるデルタ8の使い捨て電子タバコのニューヨークDD8、ロスアンゼルス発シンプルで洗練された大麻吸引グッズを展開するSESSION、シカゴ発の大麻成分を包含した蜂蜜健康食品Red Belly Honeyサブスクリプションベースの健康食品デリバリーを行うSAKARAのエナジーバー、飲料に垂らして飲用するスーパードロップ、牛乳パックのような容器に入ったシャンプーなど、パッケージを含めてサステナビリティを追求したヘアケア、ボディケア商品を展開するニューヨークのsk*p、サプリを中心にウェルネス関連商品を取り扱う大手のTHORNEが展開する、液体に溶かして飲む善玉菌を配合したサプリシートeffusio、100%ビーガンベースのスキンケア商品を展開するニューヨークのSuperegg、カナダ発、凍らせてアイスのように食べるオーガニックのフルーツピュレポップDeebee's、スタイリッシュなノンアルコール蒸留飲料を展開するSEEDLIP*、日本の苺品種をニューヨークに輸入し、屋内栽培で育てた1粒5ドルの高級苺Omakase Berryをミシュランスターレストランなどに販売している日本人スタートアップOishii社といったラインナップが展示されていました。


アパレルウェアではスウェーデンストックホルムのブランドで環境へのインパクトを最小化することを目指したスポーツウェアブランドHoudini、サステナブルな素材で足の健康をサポートするニューヨークのハンドメイドインソールFulton、こちらもニューヨークブルックリン発のブランドで植物性素材を利用したスニーカーを展開するKengosカーボンフットプリントを軽減するマスク製品を展開するevolvetogether

そしてインテリアやライフスタイル関連では環境に配慮した素材を使ったシンプルでモダンな家具を展開するカナダのRove Concept、ワシントンDC発でライフスタイルを向上させる室内観葉植物販売を展開するGrounded、スタイリッシュな野菜の室内栽培スタンドを展開するLettuce Grow、アプリなしで名刺や個人情報などをスマートに送ることができるデジタルカードやバッジを展開するニューヨークのdot.

近未来的なデザインの約650平米のスペースに、およそ3か月ごとに40から50種のブランドもしくは製品がキュレーションされ、展示販売されています。
これらのブランド名や製品名を眺めるだけでも、アメリカの消費トレンドが伝わってきますね。
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Aya Kubosumi ノマドマーケター

コニカミノルタ、大阪ガスで行動観察やユーザーリサーチに携わったのち、GOB Incubation Partnersを創業。夫の突然の転職に伴い、東京から3歳の娘と夫とともにNY(ニュージャージー)に移住。ノマドマーケターとして、NYの人々、もの、こと、を日々観察、体験したことを素材に、日本の商品開発マーケターの皆さんと共有したいインサイトを綴ります。